4サイクル水冷ディーゼル・可変ノズル排気ターボ過給装置方式・電子制御式ユニットインジェクタ方式・8気筒直角V型のエンジンを搭載したスーパーマシン、TK-Xを三菱が開発中! ・・・なんて書くとどんなマシンなんだかちょっと気になりませんか?



ルームメイトの一人にファイナンスを博士課程で研究している学生がいます。彼と話すと、知識の幅広さに驚かされます。先日は「世界の銀行は、シティバンク、HSBC、UFJが強い。投資ならシティバンク、貯蓄はHSBC、資産量はUFJだ」と言ってましたし、他のときには「IBMはCPUのアップデート速度が遅くてAppleには向いていなかったからIntelに鞍替えしたんだろ」とか「SAPという会社はエンタープライズ向けのリソース・マネジメントの世界ではトップで、各顧客にカスタマイズしたソフトウェアの販売とサポートで利益を上げている」とか「Fordは最近ダメでToyotaの売り上げが上がったから、今は両者が並走している。HondaもNissanも好調だよ」「ヨーロッパで目立って売れてるのはドイツ車くらいかなぁ」とも言ってました。この調子だと、僕がまったく分からない製薬とか鉄鋼とか食品とか、そういう業界のこともいくらでも話すことができそうです。

何でも良く知ってるなぁと言うと「チェックしてるのは各業界のトップ・プレイヤーだけだよー」と答えが返ってきました。トッププレイヤーの行動だけでも把握しておけば、どの分野の人とも話せるんですね。勉強になります。で、どこでその「各業界のトップ・プレイヤーにまつわる情報」を仕入れてくるのかとたずねたら、ブルームバーグロイターなどのウェブサイトを毎日チェックしてるのだとか。言われてみれば当たり前の場所。僕も日経新聞The Economistのサイトはときどきチェックしてますが、さすがに覚えてしまうまでは読まないなぁ。
(蛇足ですが、The Economistの英文はとても順序よく上手に書かれているので、論文を書くときの勉強になります。)

気が向いたのと、maroくんのプッシュがあったので、後編。前編とかぶる部分も多いですし、BlesserとPilkingtonの意見だけではなく僕による追加部分もあるので、注意。



BlesserとPilkingtonが2000年に書いた「音響業界における世界的パラダイムシフト」という文章を読みました。話は音響業界を中心に据えてはいるものの、それだけにはとどまらない業界の移り変わりを考察した文章でした。ひとつの技術は研究者のあいだで産声をあげ、一部の人々だけに受け入れられる幼児期を経て、成功すれば大衆に使われる青年期を迎え、そして老人になり死に至る、というのをまずは解説するんですが、そのなかで出てきたのは「ひとつの技術から次の技術への転身を成功させた企業は少ない」「大衆は音質にはこだわらない」という二点.LP時代の企業のほとんどはCDへの転換の波に乗ることができず、消えていったといいます。また、インターネット・オーディオの時代にもCDを中心にしてきた企業は乗ることができないだろうと著者は予想しています。現在主流になっている技術の生産(に加えてコストダウンのための研究)をしつづけながら、新たな技術の研究開発と設備投資をするのは非常に難しいからだとのこと。ほかにもいろいろ書いてありましたが、ここまでが前編のお話。気が向いたら後編に関しても書きます。

金谷健一著「これならわかる応用数学教室—最小二乗法からウェーブレットまで」がとても良かったのです。この本のおかげでPCA(主成分分析)と行列演算と画像処理の関係が理解できたし、音響の研究のヒントもいくつか得ました。

その著者が去年新作を出していました。特に最適化数学に興味はないけれど、金谷著だからという理由だけで「これなら分かる最適化数学—基礎原理から計算手法まで」が欲しくなってしまいました。中でも「統計的最適化」とか「非線形計画法」の章は勉強になるかも。

BibTeXというデータ・フォーマットを知っている人は少ないでしょう。現在では博士課程の学生でも、文献管理と言えばEndnoteだとかReference ManagerだとかProCiteだとか言ってます(たしかにMicrosoft Wordとの互換性は高いのですが)。でも、Wordフォーマットでの提出を要求する団体(学会など)は、特定企業を指示していて、そのことは道徳的に間違っていると思います。・・・それはともかく、BibTeXを使うと、そんじょそこらの文献管理システムよりもはるかに便利ですよ、そのための管理ソフトウェアもありますよ、ということを言いたかったわけです。

Mac OS X用のものでも、日本産のBibCompanionや、舶来のBibdeskといったソフトウェアがあります。これらはすべてBibTeXフォーマットをネイティブ・サポートしているので、BibCompanionに飽きたからBibdeskを使ってみようか、という「試し」がすぐにできます。つまり、オープン・フォーマットを使っているソフト間では、移行が簡単なのです。携帯電話のキャリア(NTTドコモ、ボーダフォン、au)のあいだの行き来も、携帯電話番号が変わらなければ簡単なのにね、というのと同じことです。

オフィス・スイートで使われるデータのオープンソース化が進んでいます。Open Officeが主導権を握っているOpenDocument FormatにはMicrosoftは同調していないようですが、オープン・フォーマットはISO標準への意欲満々です。そういえば元祖オープン・フォーマットを可能にしたのはロゼッタ・ストーンでした。そのおかげで現代の人間は過去の歴史を知ることができます。OpenDocument Formatは21世紀のロゼッタ・ストーンになれるかどうか。

MgSoft.orgのサーバーが転送量13GB/dayを超え、サイト削除の警告が来ました(24時間以内に転送量を減らさないとサイト削除および契約破棄されてしまうそうです)。おそらく原因はアップローダーだと思うので、アップローダーを一時停止しました。これで収まってくれると良いんだけど。

first authorが2つ、coauthorが4つ。この一ヶ月半で書いた論文の数です。実際にはfirst authorが3つと同じくらいの忙しさ。忙しいのには慣れているけれど、さすがに疲れました。ありがとう、支えてくれた周りのみんな。休日にムリヤリ連れ出してくれなければ、いまごろちょっと変になってたかもしれない。

で、すぐに次のターゲットが来るわけです。まだ投稿した論文の発表もしていないうちから、その次の学会発表をターゲットに考えるのです。明日からは、書いた6つの論文をサポートするような実験をし、研究を進めないといけません。学会発表旅行のパリと韓国がかなり励みになっています。よっしゃ、がんばるぜぃ!

椅子に座りっぱなしの数週間・・・尻が痛い。

McGillのような大きな総合大学で研究するときにとても役に立つのが図書館です。どんな大学にも図書館はあるんでしょうが、大きな総合大学でないと手に入らないものもたくさんあります。その代表例が、様々な分野の論文への電子アクセスです。McGillの場合は、大学の図書館が様々なジャーナルのサイト・ライセンス契約をしているので、どの学生も自由に論文の閲覧ができます。僕の分野だと、ざっと音楽学、音響学、心理学、情報工学、社会学、栄養学、畜産学、教育学、統計学なんかの分野の論文が必要になります。統計学は農業試験場で育ち、心理統計学は食品の世界で発展してきた学問なので、心理統計における重要な情報を得るためにはその分野の論文へのアクセスが必要になるのです。

これがもっと小さな単科大学だと、その大学が専門にしている分野の論文しか簡単にはアクセスできないでしょう。他の図書館に論文コピーを注文することもできますが、コピーを入手できるまでに2週間かかったりします。大きい図書館はとにかくすばらしいです。この大学から出て行ったらどうやって文献を集めれば良いんだろう、と思うくらいの素晴らしさ。

最近はいくつかの比較的マイナーなコンピュータ言語を見てきています。Python、Objective-C、OCaml、LISPと見てきました。結局のところ、僕はLISPが好きなようです。文法の単純さによって、最低限覚えなければならないことがとても少なくてすみます。括弧、命令、引数、閉じ括弧だけ。それさえ覚えれば、あとは命令をリファレンス・マニュアルで探すだけ。なんという単純な言語でしょう。

ただ、LISPを使ってMac OS XやWindows用のアプリケーションが書けるかというと、なかなか難しいものがあります。不可能ではないのですが、難しいんです。その点、Objective-CやC++であれば、OSのAPIとの親和性も高く、動作も高速になりやすいです。ただ、GCがなかったり、変数型の指定が面倒だったりします。